【無料お試し読み】 BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.6

good.book発行書籍の中身をお見せします。興味を持っていただけましたら書籍版もよろしくお願いします。

※書籍版は下記リンクよりご覧ください。

本書掲載のケーススタディはビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)提供のReal Time Online Case Study(略称、RTOCS)を基に収録したものです。RTOCSとは実際の企業や団体を取り上げ、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、「実践」と「議論」による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している「本質的問題」を明らかにし、「経営者の視点で意思決定」を行う教育メソッドです。


『BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.6』CaseStudy1


〜もしも私がゼンショーの社長だったら〜

※本解説は2015/4/26 BBT放送のRTOCS®を基に編集・収録しています。


大前の考える今回のケースにおける課題とは

 1982年の創業以来、牛丼チェーン「すき家」を中核業態とするゼンショーはBSE問題発生後、業界全体が利益率の悪化に苦しむなか、果敢な出店攻勢で牛丼チェーン国内シェア5割を占めるに至ったが、無理な店舗展開は人件費にしわ寄せされ労務問題が顕在化している。また、M&Aによる規模拡大と多角化を進め、国内外食チェーンの売上高で日本マクドナルドに次ぐ業界2位に成長したが、規模拡大の効果は発揮されず利益は悪化している。同社成長の原動力であったM&Aと出店攻勢が破綻を来した今、利益回復のための戦略転換が課題となっている。


外食チェーン国内2位まで成長してきたゼンショー

#マクドナルドに迫る4000億規模の売上高

 ゼンショーは、傘下全店売上高が4000億円規模を誇る外食チェーンです。これは国内外食チェーン業界において日本マクドナルドに次ぐ2位の規模となります。トップのマクドナルドは、食材の品質問題が尾を引き急速に売上を落としているので、2015年度はゼンショーが全店売上高ベースで国内トップになる見通しです。以下、国内外食チェーンの売上高ランキングのトップ10には、すかいらーく、コロワイド と続き、日清医療食品 、プレナス 、モンテローザ や日本ケンタッキー・フライド・チキン・ホールディングスなどが入っています(図−1)。

ゼンショーの多角経営の実態

#牛丼からファミレス、回転寿司、うどん、ラーメン、コーヒーまで

 ゼンショーの売上構成を見ると、外食事業のほか、食材の調達・製造・物流、流通小売(食品スーパー)まで展開しています。

 外食事業はグループ売上の約3分の1を「すき家」「なか卯」の二つで展開している牛丼チェーンが占め、さらに約3分の1をファミレスの「ココス」、ステーキの「ビッグボーイ」など数種の形態を持つレストラン業態が占めています。そして、牛丼以外のファストフードにおいては、回転寿司「はま寿司」、うどん「久兵衛屋」「瀬戸うどん」、ラーメン「伝丸」、コーヒーショップ「モリバコーヒー」「カフェミラノ」があり、実に多様な業態を抱えていることがわかります(図−2)。

#M&Aによる多角化戦略とその限界

 ゼンショーの成長を支えてきた二つの原動力は、M&Aと「すき家」を中心とした直営店の出店攻勢です。M&Aは2000年以降、ほぼ毎年1社の勢いで行われており、事業の多角化と外食業態の多様化を進めてきました(図−3)。その狙いは、食材の調達から製造、物流、小売、外食サービスに至るフードビジネスのバリューチェーンを一貫して手がけることによる収益力の追求と、規模の経済性によるコストメリットの追求です。

 M&Aにより多角化を進めつつ増収を続ける一方で、営業利益及び純利益は乱高下しています。直近の2014年度は、米国で買収したレストラン の撤退による特別損失を出しており、純利益で111億円の赤字となりました。営業利益を見ても、BSE問題による米国産牛肉禁輸 やリーマンショックなど随所で減益を繰り返しています。2011年以降は消費税増税による消費マインドの低迷、さらには円安による食材・エネルギーコストの上昇などが要因となり、急速に減益している状況です。このように減益の要因は様々ですが、総じてM&A戦略で意図した多角化による収益力強化と規模拡大によるコストメリットは、充分に発揮されているとはいえず、むしろコストの増加を招いているのが現状です(図-4)。



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