【無料お試し読み】 BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.7

good.book発行書籍の中身をお見せします。興味を持っていただけましたら書籍版もよろしくお願いします。

※書籍版は下記リンクよりご覧ください。

本書掲載のケーススタディはビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)提供のReal Time Online Case Study(略称、RTOCS)を基に収録したものです。RTOCSとは実際の企業や団体を取り上げ、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、「実践」と「議論」による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している「本質的問題」を明らかにし、「経営者の視点で意思決定」を行う教育メソッドです。


『BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.7』CaseStudy1より


〜もしも私が日本郵便の社長だったら〜

※本解説は2014/12/21 BBT放送のRTOCS®を基に編集・収録しています。


大前の考える今回のケースにおける課題とは

 日本郵政グループで郵便・物流事業を担う日本郵便は、大手携帯事業者から通信回線を借り受け、自社ブランドの端末やサービスを低価格で提供する格安スマートフォン事業に参入する。インターネットの普及とともに各サービスがサイバー上のプラットフォームへと置きかわり、郵便事業収入が減少を続けているなか、スマホ端末を顧客直結のプラットフォームとして、いかに既存の郵便局と融合し新たなサービスを提供していくかが課題となっている。


ネットの普及で置き換えられた郵便サービス

#銀行、生命保険に対し、経常利益が少ない郵便・物流事業

 日本郵政グループは、純粋持株会社の日本郵政と事業会社である日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の4社からなり、2015年11月には日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が上場する予定です。銀行事業を行うゆうちょ銀行、生命保険を取り扱うかんぽ生命の2社は好調な業績を出しているのに対し、利益が出ていないのが郵便・物流事業を行う日本郵便です。ゆうちょ銀行は経常収益2.1兆円に対して、経常利益が5,695億円、かんぽ生命は経常収益10.2兆円に対し、経常利益が4,931億円という状況です。一方、日本郵便は経常収益が2.8兆円あるにもかかわらず、経常利益は220億円と、グループ内で大きな収益差があります(図−1)。

 政府が100%出資しているため、今後の日本の財政を考えていく上でもグループ会社を上場させ、国民に還元していくことが必要というわけです。しかしながら、現状の日本郵便の収益率の低さはグループ会社の足枷となっています。


#郵便事業収入は減少の一途

 [図−2郵便物引受数及び郵便事業収入]を見てみると、郵便物引受数は2001年度をピークに減少を続けています。そして、郵便事業収入は郵便物の減少がはじまる以前の1996年度をピークに減収に転じています。

 1990年代には単価の高い第一種郵便(封書)から単価の安い第二種郵便(はがき)へのシフトが進み、これが減収の要因となりました(図−3)。2000年代にはインターネットの普及に伴う通常郵便物の大幅減少が、減収の主因となりました。ただし、近年はネット通販需要の増加により単価の高い宅配が急増しているため、直近の事業収入は回復傾向にあります(図−4)。

#リアルプラットフォームの郵便局が、サイバープラットフォームに

 手紙や書類などの通常郵便が電子メールに置き換えられたように、リアルなプラットフォームである郵便局が担っていた役割は、サイバープラットフォームであるスマホ内のアプリへと変化しています。現実として、日本郵便は郵便物の大幅な減少から減収を余儀なくされました。これは一見、デジタル化の進展が日本郵便のビジネスモデルを崩壊させているように見えます。しかし、基本サービスが急速にデジタルに置きかわるということは、逆の見方をすれば元々のサービスとデジタルの親和性が極めて高いということでもあります。日本郵便は、このデジタル化の流れを大きなビジネスチャンスと捉えるべきでしょう(図−5)。

既存の強みを活かした新たな取り組み

#消費者と直結したプラットフォームの役割を担うスマホ

 2014年11月、日本郵便がMVNO を通じて格安スマートフォン事業への参入を発表しました。これにより、リアルの窓口である全国約24,000の郵便局に対し消費者1人1人と直結するデジタルプラットフォームが確保でき、新たなサービスの拡充が可能になりました。

 従来のサービスは、郵便局の窓口をプラットフォームとした郵便・銀行・保険の3サービスを提供していました。格安スマートフォン事業への参入は、この基本3サービスに加え新たなサービスの提供も可能にします。プラットフォームが郵便局の窓口からスマホ端末に変化し、消費者1人1人と直結するプラットフォームができることで、無限のサービス拡張性が期待できるでしょう(図−6)。




…続きは書籍版にてご覧ください!

グーテンブック(good.book) | 紙と電子の出版サービス

グーテンブック(good.book)は次世代の出版スタイルを作ります。半自動書籍化システム&デジタル流通が「これまでになかったコンテンツ」を世の中にお届けします!