【無料お試し読み】 BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.17

good.book発行書籍の中身をお見せします。興味を持っていただけましたら書籍版もよろしくお願いします。

※書籍版は下記リンクよりご覧ください。

本書掲載のケーススタディはビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)提供のReal Time Online Case Study(略称、RTOCS)を基に収録したものです。RTOCSとは実際の企業や団体を取り上げ、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、「実践」と「議論」による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している「本質的問題」を明らかにし、「経営者の視点で意思決定」を行う教育メソッドです。


『BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.17 』CaseStudy1より


~もしも私がJTBの社長だったら~

※本解説は2015/12/27放送のRTOCS®を基に編集・収録しています。


大前の考える今回のケースにおける課題とは

訪日外国人客の急増、規制緩和による「民泊」の解禁など、旅行業界へ追い風が吹いている。片や、日本人による海外旅行は円安による割高感から伸び悩んでいる。海外の大手宿泊予約サイトが台頭し、パッケージ旅行の店頭販売にとって脅威となるなど、冷たい変化の波も押し寄せる。JTBは国内最大手の旅行会社として、政府の掲げる「観光立国」へのけん引役を期待されている。これまで手薄だった「海外発」の需要、すなわち外国人客のニーズをどう取り込むかが課題だ。


訪日外国人客が爆発的に増加、旅行業界はビジネスチャンスが急拡大

#2年間で倍増し、約2,000万人に到達

 日本を訪れる外国人客(インバウンド)が急増しています。日本政府観光局の2016年1月19日の発表によると、2015年の訪日外国人客数は過去最高の1,973万7,400人となり、同年の出国邦人数1,621万2,100人を上回りました。訪日外国人客数が出国邦人数を上回るのは1970年以来、45年ぶりのこととなります。「観光立国」を目指す政府の掲げた目標「2020年に2,000万人」を前倒しでほぼ達成したことにより、政府は改めて目標を3,000万人と定めました。

 インバウンドを後押しするのは円安です。安倍晋三首相が2012年末、経済改革「アベノミクス」を謳い、為替レートの変動が一気に進みました。外国人が日本への旅行を割安に感じるようになり、訪日客は2013年の1,000万人からわずか2年間で倍増しています(図-1)。


#世界の海外旅行者はほぼ12億人、アジアの人気が急上昇

 世界を見ても海外旅行をする人は右肩上がりに増え、2015年は11.8億人に達しました(図-2)。なかでも日本を含むアジア地域は欧米に比べ、急速にニーズが高まっています(図-3)。2020年には25年前の4倍もの外国人客がアジアにやってくると予想できます。日本の旅行会社にとっては、ビジネスチャンスが急拡大しそうです。

特需の恩恵を享受しきれぬJTB

#業績回復も最盛期には及ばず

 インバウンド特需とでもいうべき活況ですが、国内最大手のJTBはその恩恵を享受しきれていません。JTBはグループ15社、連結対象172社を擁する旅行業界のリーディングカンパニーで、2015年3月期は連結売上高1兆3,239億円と圧倒的な規模を誇ります。グループの旅行業取扱額も1兆5,093億円と、業界2位のKNT-TCホールディングスの5,143億円を大きく引き離し、シェアは25%以上。盤石な地位を築いているように見えます。

 しかし、この旅行業取扱額は1990年代をピークに減少を続けており、リーマンショックの明けた2009年度には1.1兆円まで落ち込みました。現在は回復傾向にあるものの、2014年度も1.5兆円にとどまり、最盛期には及びません。長期的には20年以上に渡り停滞しています(図-4)。

#老舗企業はインバウンド市場で弱く、国内旅行者は減少が続く

 これまでの伝統的な旅行会社は、自国を出発地とした旅行で強みを発揮してきました(図-5)。1912年に創立したJTBも例外ではなく、「日本発→日本着」である国内旅行や、「日本発→海外着」というアウトバウンドの海外旅行を長年手がけています。いずれも「日本人の、日本人による、日本人のための」の旅行です。

 一方、このような老舗企業は「海外発」の旅行、つまりインバウンドの取り扱いが少ないという弱点があります。国内旅行の盛んだった時期はよかったのですが、日本における国内旅行の旅行者数は2000年代に入って徐々に減少しています(図-6)。訪日客にとってはうれしい円安も、海外旅行をしたい日本人にとっては割高感の原因となり、JTBが得意な「日本初→海外着」の需要も減ってしまいました。


 

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