【無料お試し読み】 BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.21


good.book発行書籍の中身をお見せします。興味を持っていただけましたら書籍版もよろしくお願いします。

※書籍版は下記リンクよりご覧ください。

本書掲載のケーススタディはビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)提供のReal Time Online Case Study(略称、RTOCS)を基に収録したものです。RTOCSとは実際の企業や団体を取り上げ、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、「実践」と「議論」による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している「本質的問題」を明らかにし、「経営者の視点で意思決定」を行う教育メソッドです。

『BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.21』CaseStudy1より


〜もしも私がDMM.comの会長だったら〜

※本解説は2016/4/24 BBT放送のRTOCS©をもとに編集・収録しています。


大前の考える今回のケースにおける課題とは

 米国では企業価値の評価額が10億ドルを超える非上場のベンチャーを“ユニコーン企業”と呼んでいるが、日本におけるユニコーン企業の一つとして注目されている企業がDMM.comグループである。同社の事業概要を一言で説明することは難しいが、あえて言うならば、アダルトコンテンツ事業を中核とするベンチャーキャピタルと言えよう。現在、同社の手がける事業は多岐にわたるが、収益の多くをアダルトコンテンツ事業が生み出しており、その収益を原資に様々な新規事業を創出することをグループの成長戦略と位置付けている。しかし、アダルトコンテンツを中核事業としているため、倫理上の問題から同社が手がけるベンチャーが株式公開を果たした実績はない。新規事業の創出を成長戦略とする同社としては、より優れた起業家や事業アイデアを集めるため、株式公開を目指せる事業体制を構築することが課題となっている。


DMM.comグループの沿革と事業展開

#レンタルビデオ店からスタートし、アダルトビデオ事業で国内最大手に成長

 DMM.comグループは、オンラインプラットフォーム「DMM.com」を中心とした企業グループです(図-1)。

 グループを率いる亀山敬司氏は、20代前半で出身地の石川県加賀市で雀荘とバーを経営し、1986年にレンタルビデオ店を開業しました(図-2)。ある日、近未来を描いた映画を見たことをきっかけに、映像コンテンツはいずれ電子配信に置き換わると直感、レンタルビデオ業界の将来性を悲観した亀山氏は、コンテンツメーカーになることで生き残ることを標榜し、1990年にアダルトビデオ(AV)制作に参入しました。AV事業はやがて国内最大手に成長、DMM.comグループを資金面で支えています。

 1999年には動画配信や通販事業への本格展開を狙い「デジタルメディアマート」(現DMM.com)を設立、積極的なテレビCMにより知名度を上げつつ、次々と新規事業への投資を進めていきました。2009年にはFX事業会社(現DMM.com証券)を買収したことで、グループのオンラインプラットフォーム事業の成長は急加速しました。

#枠組みのない事業展開

 DMM.comグループの手がけるサービスを見ると、何をやっている会社なのか、何を目指している会社なのか、というものがよくわかりません。動画配信、電子書籍、オンラインゲーム、レンタル、通販、英会話、FX、会食・合コンのマッチング(肉会)、ソーラーパネル、3Dプリンター、ロボットといったように、事業に一貫性や方向性が全く見えません(図-3)。

DMM.comグループのホームページには、「事業紹介」として次のように書いてあります。

「あたらしい」を、続々と。

動画配信、通販、レンタル、オンラインゲーム、英会話、ソーラーパネル、3Dプリンター。


私たちの事業には、枠組みというものがありません。

「オモシロい」と思ったら、すぐに検討。「可能性がある」と思ったらすぐに実行。

成功した事業の裏には、だから、たくさんの失敗もある。

むしろ、失敗することより、チャレンジしないことのほうが怖い。

新しいことをつくり出す力と、つくり出したい気持ちと、なんにでも目をつける好奇心を、

ここで発揮しませんか?

(DMM.com採用情報より、太字は著者編集)


 驚くべきことに、「事業に枠組みがなく、思いついたことはすぐに検討・実行する」、これがDMM.comグループの事業戦略であると明記してあります。普通の事業会社であれば、目的・理念があり、その会社が社会に提供する価値、すなわち事業領域(枠組み)が明確です。そして、目的・理念を達成するために事業戦略があり、その戦略に沿って限られた経営資源を配分していきます。しかし、DMM.comグループは新規事業をつくり出すこと自体を目的としているため、決まった事業の枠組みを持たず、新規事業を創出することに全ての経営資源を配分することが事業戦略となっているのです。

 なぜ、このような経営が可能なのかを次に見ていきましょう。


安定を支えるアダルト事業、成長を牽引する新規事業

#アダルト関連事業の利益で様々な新規事業に参入

 DMM.comグループの事業は多岐にわたりますが、大きく「アダルト関連事業群」と「新規事業群」に分類できます。グループ会社の資本関係をまとめたのが[図-4/DMM.comグループの全体像]です。アダルト関連事業群が安定したキャッシュを生んでいます。このキャッシュを新規事業に投資し、これらの新規事業をオンラインプラットフォームのDMM.comを通じて展開しています。




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