【無料お試し読み】BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.22

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本書掲載のケーススタディはビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)提供のReal Time Online Case Study(略称、RTOCS)を基に収録したものです。RTOCSとは実際の企業や団体を取り上げ、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、「実践」と「議論」による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している「本質的問題」を明らかにし、「経営者の視点で意思決定」を行う教育メソッドです。


「BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.22」CaseStudy1より


〜もしも私がナガセの社長だったら〜

※本解説は2016/3/27 BBT放送のRTOCS®を基に編集・収録しています。


大前の考える今回のケースにおける課題とは

 予備校・学習塾を経営するナガセは、高校生を対象とした東進ハイスクールや東進衛星予備校を展開し、予備校における映像授業市場で7割超のシェアを占めている。2006年に中学受験を主とした四谷大塚、2008年にイトマンスイミングスクール、2014年に早稲田塾を買収し、既存事業の強化や多角化を進め、業績は右肩上がりで推移している。しかし少子化により小・中・高の在学者数の減少が続き、大手の予備校や通信教育企業、出版社の買収・提携による業界の再編にも直面している。今後、自社の強みを生かして教育産業をどのようにデザインし、成長させ続けていくかが課題となる。


大学受験予備校の大手、小中学生・社会人教育により多角化

#売上の約6割が大学受験の予備校、映像授業の自立学習型で全国展開

 株式会社ナガセは、多くのカリスマ講師を抱える大学受験予備校・東進ハイスクールなどを運営する教育サービス企業です。東進ハイスクールは高校生が対象で1985年に創設、その後、1992年に衛星授業「サテライブ」を配信する東進衛星予備校を開設して全国にフランチャイズ展開をスタートしました。さらに2006年には中学受験の有名塾・四谷大塚、2008年にはイトマンスイミングスクールを買収してグループ会社化するなど、既存事業の強化と多角化を図っています。

 売上高は457億円超と業界トップクラスで、その内訳は[図-1/ナガセの事業別売上高構成]のとおりです。主力事業は大学受験予備校・塾の高校生部門で、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾を合わせて売上高の62.9%を占めています。四谷大塚を中心とした中学・高校受験の塾は合わせて売上高の16.4%、スイミングスクールは15.4%、その他に、社会人向けのビジネススクール、出版事業などが5.3%となっています。

 ナガセの主力事業である東進ハイスクールおよび東進衛星予備校の特徴は、「映像授業の自立学習型」というスタイルを採っている点です(図-2)。著名講師の講義を映像化し、生徒は学習レベルに応じた講義映像を個別の学習スペースで視聴します。進学相談などはサポートスタッフが対応するというシステムです。従来の予備校は主に浪人生を対象に大教室で集団指導を行うというスタイルが一般的でしたが、少子化に加え、現役志向の高まりや経済的問題により、現在は浪人生が激減しており、昼間から大教室で授業を受ける生徒は少なくなっています。そのため、大学受験生の大半を占める現役生に向けて、個々の学力やニーズに合わせて講義を映像で受講する自立学習型が主流となりました。自宅でなく予備校に来ることである程度の規律が守られ、効率的に学習できるという効果があるようです。講義を行うのは大手予備校から引き抜いた著名講師で、ナガセは従来の大教室・集団指導型から映像授業・自立学習型に転換することで急成長してきました。現在ではフランチャイズ校もあり、全国で1,000校以上を展開しています。

いち早い映像授業化推進により市場ニーズに対応

#大手競合を抑え、映像授業市場で7割超のシェア

 少子化の影響で生徒数が減少し、大手予備校も苦戦する現在、多くの予備校が映像授業を強化していますが、そのなかで東進ハイスクール・衛星予備校は71.8%のシェアを占め、大きく他を引き離しています(図-3)。講座数は約1,200講座と大変充実しており、校舎数も直営94校、フランチャイズ984校と圧倒的な数を誇ります。大きく水をあけられて、河合塾マナビスが14.8%、代ゼミサテライン予備校が6.7%と続いています。

 河合塾マナビスは1校舎につき10人前後のアドバイザーを配置して手厚くサポートし、代ゼミサテライン予備校は約2,000の豊富な講座数で幅広い学習レベルをカバーするなど、大手予備校はそれぞれの特徴を押し出して競い合っています。浪人生の減少、現役志向の高まりという市場の変化に対し、いち早く映像授業・自立学習型へと転換を図った東進ハイスクール・衛星予備校が圧倒的なシェアを誇り、現時点では、最も成功したといえるでしょう。

 このようにナガセの経営は順調で、年々、売上高を伸ばしています(図-4)。2000年代に入ってからは、ほぼ右肩上がりに売上高が推移しており、2016年3月期は連結売上高457億4,200万円に上りました。事業セグメント別に見ると、主力事業である高校生部門が堅調に伸びています。これは映像授業・自立学習型への早期転換と、カリスマ講師による積極的なプロモーションによる影響が大きいといえるでしょう。また、四谷大塚などの買収により小・中学生部門を強化し、さらにスイミングスクール買収による多角化も行い、売上高は堅調に推移しています。




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