【無料お試し読み】BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.29

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本書掲載のケーススタディはビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)提供のReal Time Online Case Study(略称、RTOCS)を基に収録したものです。RTOCSとは実際の企業や団体を取り上げ、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、「実践」と「議論」による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している「本質的問題」を明らかにし、「経営者の視点で意思決定」を行う教育メソッドです。


『BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.29』CaseStudy1より


〜もしも私がしまむらの社長だったら〜

※本解説は2016/12/4 BBT放送のRTOCS®を基に編集・収録しています。


大前の考える今回のケースにおける課題とは

 国内衣料品小売業界において売上高第2位のしまむらグループは、女性向けファストファッション業態である「ファッションセンターしまむら」を中心に国内約1900店舗、海外約50店舗を展開している。業界1位でSPA(製造小売)モデルに強みを持つファーストリテイリングと比較すると、その最大の強みは購買、物流、商品管理、店舗オペレーションを本部で集中管理する徹底したローコストオペレーションにある。一方、地方の女性向け低価格ファッションというチープなブランドイメージが定着しており、これが同社の成長機会を阻害している。今後、ローコストオペレーションの強みを活かした新業態展開、海外ブランド導入による店舗集客力向上、そして、チープイメージを払拭するプライベートブランドの育成と海外展開を念頭に置いた都心展開が同社の課題となる。


“ライバル”ユニクロとはどう違うのか。徹底比較検証

# 国内販売中心の女性向けファストファッション

 しまむらは、埼玉県比企郡小川町にて営業していた島村呉服店を、1953年に株式会社として設立したことに端を発する企業です。1972年に「株式会社しまむら」に社名を変更し、現在では「しまむら」以外にも複数のショップブランドを展開するに至っています。ヤングカジュアルの「アベイル」、ベビー服・子供服の「バースデイ」、雑貨の「シャンブル」、靴の「ディバロ」などがあります。業態別売上高構成を見ると、主力の「しまむら」ブランドだけで8割以上を占めています(図-1)。

 国内衣料品小売業の売上高ランキングを見てみますと(図-2)、しまむらは第2位ですが、第1位のファーストリテイリングの国内売上高の半分程度です。両社とも低価格なカジュアルファッションとして支持されている点は同じですが、ファーストリテイリングは男女を対象としているのに対し、しまむらはほとんど女性を対象としていることがこの差の大きな理由と考えられます。次に世界衣料品小売業の売上高ランキングを見てみますと(図-3)、ファーストリテイリングは第5位、しまむらは第18位で、両社の売上高の差は3倍に広がっています。これは、ファーストリテイリングが海外展開を積極的に行っているのに対し、しまむらはほとんど国内展開のみであることが理由です。

# 集中管理によるローコストオペレーション

 図-4にはしまむらのサプライチェーンの特徴を示しました。しまむらは購買、物流、店舗オペレーションを本部で集中管理することで徹底的なローコストオペレーションを実現していることが特徴です。約500のサプライヤーと売れ行きや在庫状況を共有し、共同で商品企画を行い、発注した商品は返品なしの完全買い取りを行うことで仕入れコストを抑え低価格を実現します。また、自前の物流網を構築しているため、ある店舗で売れ残った商品を適宜別の店舗に移動させることが可能です。このようにして、買い取った商品を売り切ることで高い商品回転率を実現しています。


# ユニクロとの戦略比較。様々な面において対照的

 しまむらとユニクロの戦略比較を図-5に示しました。商品・顧客セグメントは、ユニクロが全年齢を対象に男女比も半々であるのに対し、しまむらは女性中心で主婦や若者を対象としています。ユニクロは「ユニセクシャル・クローズ」の略だという説もあるくらいですので、セグメンテーションにそれが反映された格好です。マーチャンダイジングの面では、先述の通りしまむらが集中購買で商品売り切り型であるのに対し、ユニクロはSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel:製造小売業)で商品補充型です。メーカーから仕入れるしまむらに対し、ユニクロの場合は自社で中国やバングラディシュの工場に発注してつくらせたものを売ることで、非常に高い利益率を達成しています。

 したがって商品戦略としては、ユニクロは少品種大量の商品を製造し、色だけ変えるといったやり方をしていますが、しまむらはメーカーから仕入れているため、多品種少量で品揃え重視の展開をしています。物流の面ではユニクロはアウトソーシングしているのに対ししまむらは自社内包です。店舗オペレーションはしまむらが本部主導で集中管理しているのに対し、ユニクロは店長に大きな裁量権があります。

 国内出店戦略は、しまむらが郊外中心に1,345店舗を展開、ユニクロは837店舗と数では劣りますが都心に積極展開しています。一方、海外出店戦略では、しまむらが53店舗を台湾・上海のみで展開しているのに対し、ユニクロは米国や欧州、アジアで国内店舗数を超える計958店舗を展開しています。


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