【無料お試し読み】BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.30

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本書掲載のケーススタディはビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)提供のReal Time Online Case Study(略称、RTOCS)を基に収録したものです。RTOCSとは実際の企業や団体を取り上げ、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、「実践」と「議論」による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している「本質的問題」を明らかにし、「経営者の視点で意思決定」を行う教育メソッドです。


『BBTリアルタイム・オンライン・ケーススタディ Vol.30』CaseStudy1より


~もしも私がマツモトキヨシHDの社長だったら~

※本解説は2017/1/29 BBT放送のRTOCS®を基に編集・収録しています


大前の考える今回のケースにおける課題とは

 ドラッグストア最大手のマツモトキヨシHDは、働く女性をメインターゲットとし、化粧品の品揃えを充実させることで首都圏都市部を中心に勢力を伸ばし、1995年以降業界トップを走ってきた。ドラッグストア業界では共同仕入れによるコスト削減など、規模の経済性がはたらきやすいため、大手を中心に資本提携やフランチャイズによるグループ化が進んでいるものの、コンビニや総合スーパーに比べ市場寡占度は低く、今後も活発な再編が進むと予測される。2010年以降は市場成長も鈍化し飽和感がみられ、コンビニやスーパーなど業態間競争も激化する中、グループ規模の拡大および他業態との差別化が課題となっている。


窮地に立つドラッグストアの国内最大手

# 松戸の個人商店が起源

 今回取り上げるのは、国内ドラッグストアの最大手であるマツモトキヨシHDです。

 1932年、創業者の松本清氏が千葉県松戸市に「松本薬舗」を開業したのが起源です。その後1954年に法人化して「マツモトキヨシ薬店」に商号を変更し、1987年には現在のような都市型ドラッグストアの第一号店となる上野アメ横店をオープン、1995年にはドラッグストアとして売上高が日本一となりました。2000年代に入ると地域企業との資本・業務提携やフランチャイズ契約などグループ拡大戦略を進めます。2007年には持株会社のマツモトキヨシHDを設立し現在に至ります。代表取締役社長の松本清雄氏は、松本清氏の孫にあたります。

# 2位、3位のイオングループとは僅差

 抜群の知名度と業界首位の売上高を誇るマツモトキヨシHDですが、現在はその座が脅かされる状況にあります。[図-1/国内ドラッグストア売上高ランキング]を見るとわかるように、確かに現状では売上高は5,361億円と国内トップです。しかし2位のウエルシアHDと3位のツルハHDもそれぞれ5,284億円、5,275億円とほとんど差はなく、店舗数も同様です。さらに、ウエルシアHDとツルハHDはイオングループの企業で、両社を合わせると売上高も店舗数もマツモトキヨシHDを上回ります。4位のサンドラッグも売上高が5,000億円以上、店舗数は1,000店以上と迫っており、上位各社が拮抗している状態にあります。

ドラッグストア市場のグループ化

# 低迷する総合小売業に反し、小売市場を牽引

 次に、国内の小売市場の変遷を業態別に見てみましょう。[図-2/業態別小売販売額推移]をご覧ください。それぞれの販売額の推移は、百貨店は1992年度のピークからほぼ半減、スーパーは維持していますが、商品の内訳を見ると、衣料品や家電、家具などの販売減少を飲料・食品販売の伸びが支えています。すなわち総合スーパー(GMS)は食品専門小売業態となることで販売額を維持している状況です。これらの総合小売業態から売り場を奪っていったのが、家電や衣料品、家具、DIY用品など特定の分野に特化したロードサイド型の専門量販店業態です。しかし、家電量販店などは通信販売の台頭でショールーム化(店舗で実物を見てネット通販で購入する購買行動)し、業界再編が進みました。また、DIY用品や日用品の低価格業態として成長していたホームセンターは、2000年代後半に横ばいとなり低迷しています。購入頻度の高い日用品や日配食品などは、大型のロードサイド店でまとめ買いするよりも、頻繁にアクセスできる生活圏に近い小型店舗のニーズが増していきました。こうした背景により、コンビニや通販、そしてドラッグストア業態が小売市場を牽引しています。

# 業界再編と寡占化が進む

 ただし、ドラッグストア市場はこの数年、成長スピードに陰りが見られます。2000~2009年にかけては年率7.4%で成長していた市場規模は2010年度以降、年率1.4%に減速しています。また企業数は2004年度の671社をピークに、その後は下降を続けて2015年度は447社とピークの7割弱にまで減少しました[図-3/ドラッグストアの市場規模および企業数]。

 企業数が減少している一因は、年々進行している業界再編です。ドラッグストア上位10社の市場集中度は2000年度には29%でしたが、徐々にその割合が増加し、2015年には65%にもなっています[図-4/ドラッグストア市場規模における上位10社集中度]。こうした傾向は、今後も続くと予想されます。小売業では一般に規模の経済がはたらくとされています。小売業における規模の経済は特に集中購買による仕入れ原価の低減で発揮されます。販売規模が大きいほど、メーカーとの交渉力が強まり、仕入れ原価やプライベートブランド商品の開発において有利な条件で取引ができます。そのため小売事業者は規模の拡大および業界の寡占化を進めていくことが重要な課題になります。

 業態別に見ると最も寡占化が進んでいるのはコンビニで、10.1兆円の市場規模に対し、上位3社が市場の8割を占めるという状況です。同様に、イオンなどのGMSは上位6社、家電量販店とディスカウントストアは上位7社で全体の8割を占めるというように、寡占化が進んでいます。これらに比べドラッグストアでは、市場の8割を占めるのに上位21社が必要という状況ですので、今まさに激しい業界再編とグループ化が進行している最中なのです[図-5/業態別市場規模における集中度80%を満たすために必要な企業数]。


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