【無料お試し読み】早期離職白書
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新卒入社後3年以内に退職した「早期離職者」25名への対面インタビューとアンケートの結果をまとめた日本初のデータ集が早期離職白書です。
第1章 早期離職の現状 より
1.データで見る早期離職
(1)早期離職者の推移
・大学新卒者の3割は3年以内に退職している
厚生労働省の雇用動向調査によると、全年齢平均での離職率は15.0%である。一方、大卒新卒者の3年以内離職率(以後「早期離職率」とする)は31.9%となっている。(図1)
早期離職率は2009年以降上昇傾向にあったが、2009年は1994年以来15年ぶりに30%を下回る水準だったことも一因と考えられる。2013年3月卒は31.9%と前年よりも0.4ポイント減少し、2年連続の減少となった。
(2)産業別の早期離職率
・半分が辞めてしまう業界も存在する
厚生労働省が発表した産業別の3年以内離職率のデータによると、産業別で3年以内離職率が最も高いのは宿泊業・飲食サービス業で50.5%となっている(その他を除く)。4年前のデータでは教育・学習支援事業が48.8%でトップだったが、現在では宿泊・飲食サービス業が50%を超えトップとなっている。
また、製造業は18.7%と全体平均と比較すると低い水準となっているものの、製造業をさらに詳細に見た分類では繊維業が36.3%と全体平均よりも高い一方で、化学工業・石油製品・石炭製品製造業が13.2%となっており、製造業の中でも業種によって早期離職率に差がみられる。
(3)事業規模別の早期離職率
・事業規模と離職率は反比例の関係
同じく、厚生労働省が発表した事業規模別の3年以内離職率では、従業員数が増えるにつれて離職率が低下している。(図3参照)
(4)早期離職者数の実数と推移
・毎年10万人以上の早期離職者が生まれている
早期離職者の実数の推移をまとめると表1の通りとなる。平成18年卒者をピークに離職者数は減っているが、平成22年以降、 離職者が再び増加している。
離職者数は平成25年卒では約13万人と前年よりも約3千人増えている。
・・・
早期離職者 インタビューファイル より
早期離職者インタビューファイル ♯1:Y.Yさん 28歳
28歳、男性。青山学院大学卒業。学生時代はサークルでフリーペーパー作成やイベント主催などを行っていた。大手IT企業(Y社)のビジネスコース(営業・企画などの職種配属)として入社。スキルアップができない業務内容に危機感を感じ24か月で退職。現在はITベンチャー勤務。
Q.学生時代はどのように過ごされていましたか?
サークルでフリーペーパーの製作やイベントの企画・運営をやっていました。当時からモノをつくるのが好きで、仕事もそんなことをやりたいなとは漠然と思っていました。
Q.就職活動はどんな風に進めましたか?
今思うとミーハーなんですが、第一志望は電通や博報堂などの広告代理店で、他にはTV局などのメディアを受けていて、Y社も広い意味でメディアの一つとしてとらえていました。結局、第一志望群の会社はダメでY社からは4年生の4月頃に内定が出たので「もう、ここでいいや」という感じで就活は終えました。
Q.入社してから配属までの流れを教えてください。
研修は同期全員で2か月くらいと、そのあとに各部署で1か月くらいの研修がありました。最初の2か月はエンジニアも営業も全員一緒でマナー研修とかですね。同期は自分の時は多くて、全部で300人くらいいました。
Q.入社してからの仕事内容を教えてください。
1年目は営業です。地域情報を掲載したページの広告枠を小売店向けに販売していました。社内でも新規事業だったので、営業も新規営業です。なので、毎日スーツで出社してテレアポもしていました。あんまりITの会社っぽくないですよね。今月の訪問架電件数は何件というノルマもありました。
2年目になったときに部署が解体になり、次に配属されたのが不動産広告の代理店営業です。代理店向けに営業企画もしましたし、少しだけですが、キャンペーンの企画も担当しました。ただ、キャンペーンとは言っても、基本的には決まったページの枠の中で不動産の広告枠を売っていくことには変わりないんですけど。
Q.退職を考えたきっかけを教えてください。
はじめて考えたのは2年目の中ごろくらいからだったと思います。Y社はもともと中途社員が優秀だけど、新卒はあまり出世しない会社でしたなんです。当時、自分の会社の30歳くらいの先輩を見ても心の底からこうなりたいとまで思う人尊敬できる人がいないなと感じていて、加えてスタートアップベンチャーに行った友人なんかはマネージャーとか海外支社長になっている人奴もいるのに、自分は末端の営業という立場なのは、このままではマズイなと思いはじめました。自分は同期の中でも辞めたのは数人目でしたが、感覚としては優秀な人奴ほど先に辞めていた気がします。
Q.退職を決めたきっかけを教えてください。
退職を決めたのは2年目の12月頃です。先に辞めてベンチャーに転職していた同期のエンジニアと食事をしたときに、その会社の社長が同席していて「うちに来ないか」と誘われました。ちょうど会社を辞めようかなと悩んでいた時期でもあったので、給料も聞かずに即決で「行きます」とこたえました。
Q.辞める時に誰かに相談はしましたか?
相談はしなかったですね。親にも事後報告でした。
Q.何が改善されれば辞めなかったと思いますか?
「スキルアップできるのか」と「やりたいことができるのか」の2つが満たされていたら辞めなかったと思います。当時のY社は自分にとってはどちらも満たしていなかったので、せめてどちらか一つでいいから欲しかったなと思います。
やりたいことという視点でみても、本当は会社のメインになっているトップページをつかった企画とかをやりたかったんですよ。就職活動のときはそういうことも伝えていたのに、配属が違うところだったので結局できませんでした。1年目は配属されないというわけではなくて、同期も数十人は配属されていました。配属が違っていたら、あと数年はいたかもしれませんね。
Q.退職してから現在までの流れを教えてください。
2年目の12月に会社には「辞めます」と伝えたのですが、上司が1か月くらい話をとめていたみたいで、辞めるまでにしばらく時間がかかってしまいました。辞める直前までバタバタして、有給休暇の取得も最後の1週間程度だけでした。
約束通りITベンチャーにすぐに転職し、営業や企画を2年くらいやっていました。当時は3人くらいの会社で、今は10人ちょっとくらいになっていると思います。スキルアップにはつながりましたが面白かったのですが、これ以上は事業がスケールしないなと思ったのと、社長との経営方針が少し食い違っていたのもあって退職を決意しましたしました。
去年の98月から今のベンチャー企業に転職して、今は営業と企画をやっています。今の会社でも営業と企画の両方ができる人は少ないので、仕事を任せてもらっています。1社目が営業、2社目が企画だったので、結果的には2つの会社の経験が今に活きています。
Q.今後の展望を教えてください。
今の時点で具体的にこれをやりたいというのはないんですが、将来自分が「これをやりたい」と思ったときに実現できるだけのスキルを身に付けておきたいなと思います。
仕事に必要なのはスキルとエネルギーだと思うのですが、今の時点ではエネルギーが湧き出てくるほど絶対にやりたいと思えるものがあるわけではないので、まずはスキルを高めていきたいです。IT業界は求められる能力も時代と共に大きく変わっていくので、常に最前線で勉強していかないといけないと思っています。
起業したいなという気持ちもありますが、起業は一つの手段でしかないので無理に起業をする必要はないとも思っています。会社内でできることとか、会社にいるからこそできることも多いと思うので、必ずしも起業することが重要だとも思っていないです。
Q.最後に、退職したことを後悔していますか。
まったくしてないです。
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